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「君はどう思う？」
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「あのね、今ね、ちょっといろいろ考え込んじゃってるんだ。これは今までにない大きな問題だよ。君はもう知ってると思うけど。私としてはね、やっぱり感じたままのことが正解なんだと思うのね。でもさ、そうはいかないじゃない、いろいろさ。君はどう思う？」

      私は悩んだり壁にぶつかったりすると、よく私の中の"君"と話をします。そうすることで、ちょっと冷静にものごとが見られるのです。"君"は答えを出してはくれません。ただするどい質問や指摘をしてくるんです。「じゃあ、それが本当の気持ちなんだね？」とか「それは言い訳じゃないの？」とか。その度にまた私はいろいろ考えて、そのうちに何となく答えが出たりします。

      私の中の"君"はとても冷静で、既成概念というものを持っていません。だから時々びっくりするようなことを言ってきます。「そんな形式的な型にあてはめて考えるからだめなんじゃない?ものごとはもっと自由だよ。」先日もそんな事を言われました。私は"はっ！"として「そっか。だから悲観的な方にかたよっちゃうんだ。」なんて思ったのでした。

      こんな風に書いちゃうと「危ない人なんじゃない？」なんて思われそうですが、自分の中の声は意識的に聞いてないだけで、誰もが聞こえていると思うんです。例えば…買い物をしてお釣をもらいましたがどう考えても多くもらっています。「あ、お釣りが多い…」とあなたは思います。すると"相手は気がつかないんだからもらっちゃえば"なんて声が聞こえてきます。それから"ちゃんと返すべきじゃないの？"という声もしてきました。これこそ自分の中で聞こえる声だと思うんです。ところがこの場合"君"は相対することを言っています。ここでどちらの声を聞くかは自分次第。でもその声に従うのではなく、その声を参考に自分がどうすべきかを決めます。もし選んだ方の声を聞いたその結果、後悔してしまったら、自分にとってその選択は正しくなかったかもしれません。でも、この声を意識し続けることでそのときどの声を聞くべきなのか、その声を聞いて自分はどうするべきなのか、ということがだんだんと分かってくるようです。といっても私も人間。今でもときどき後悔しちゃうことがあります。トホホ。

      さあ、あなたの中の"君"はあなたにどんなことを言っていますか？
 


      
2000/11/25