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感情のコントロール
 

 水道の蛇口にホースをつなげて勢いよく水を流すと、ホースが水の勢いで暴れてしまってあたりは水浸し。感情のコントロールができないとき、私はそんな光景を思い浮かべます。

 ときどき感情というものは、自分でも想像がつかないくらいの勢いであふれ出てくることがあります。怒りや悲しみや喜びたちが自分のどこからか湧き出てきて、涙を流したり笑顔になったり大きな声で怒鳴ったり…。自然と表に出てきます。感情のままに行動することって、人には必要なんだと思います。それによってコミュニケーションが生まれたり、またある意味で人がストレスから自分を守るひとつのシステムでもあると思うからです。「感情のおもむくままに生きてゆくことって素敵だな。」そんなふうに思っていました。

 でも、最近思うんです。確かに感情のままに行動することは素敵なことだけど、すべての場面でそうではないんじゃないのか。感情のままに行動することが、ただ感情に振り回されていることになってないだろうか...。自分の感覚にあまり注意深くなかったころ、ほとんどの場合で私は感情に振り回されていた気がします。結果的に、
とっても悲しい思いをしたことが何度かあります。それはそれで、私にとっては大切な経験になっているし、いろいろ学ぶことも多かったので"失敗した"という思いはありませんが、思い出すたびに胸の奥がすこしせつなくなります。
  今の私はというと、以前より少しは精神的に成長しているらしく、この感情はいったい私に何をさせたいのだろうとか、どうしてこんな感情が生まれるんだろう、なんてゆうことを考えるようになりました。もちろんいつもではありませんが、必要なときにこの思考回路が作動します。今湧き出るこの感情をストレートに受け入れることでいったい何が起こるのかを想像して、そうするべきか否かの別れ道を自分で選んで進んでいく。それが、けわしい道でも、そうするべきと思えばそちらへ進む。決して安全な道を選ぶためでなく、あくまで自分の声を聞くために、分かれ道で立ち止まるんです。自分が目指す方向の匂いを嗅ぎ分けながら。あらためて自分の中から湧き出る感情について深く考えることの大切さを感じます。

 とはいってもまだまだ精進中の私。気がつけば暴れるホースの水でびしょぬれなんてゆうこともありますが、たまには水遊びもいいもんだ、なんて言いながらこれからも道を選び続けてゆくことでしょう。

2001/02/01
 
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