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リズムキープ
 
 現在、私がやってる音楽活動は、主にバンドという形態をとることが多いんです。オリジナル曲をつくって、ライブハウスなんかで演奏しているんですが、ジャンルは全然意識していないので「どんなバンド?」って聞かれるといつも返事に困ります。ライブを見た人が言うには“ロック”。うーむ、そうかもしれない。

 実は私、大きな音が苦手です。私の深い部分で“ある種類の恐怖”を感じます。これはなぜか、ということは判明しているので混乱することはないんですが、無意識のレベルで身体が反応してしまいます。肉体が緊張して、無駄な力が入ってしまってうまく声が出ない、そんなこともあります。肉体が緊張する理由は、大きな音のせいだけではありませんが、ひとつの要因であることは確かです。

 なぜ、こんな環境で私は歌い続けてるんだろう...。もっと楽に歌える環境をつくることは、まったく難しいことではありません。バンドとは別にピアニストと2人でユニットを組んだりして、そこでもオリジナル曲をつくって演奏したりもしてるし。だけど、私の音楽活動の中からバンドという形態をまったくなくしてしまうことが、私にはイメージできません。これは、どうも私にとって必要なこと。さてそれは、と考えたとき、こんな言葉が聞こえました。

  「どんな環境の中でも、君は君でいられる?」

 この言葉は、バンドという枠の中だけではなくあらゆる環境をさしているわけですが、とりわけバンドで歌うということは、私にとって大きな学びの場であり、訓練の場ということなのでしょう。自分自身を表現するべき音楽という場所で、最も重要な“どんなときでも自分が自分でいる”ということを身体・精神、自分の全てを使って理解し、たとえそれがどんな環境であろうと実現する。自分のリズムをキープすることで、伝えたいことが歌えるのだと思いました。

 そして、なにより私は今のバンドのメンバーと演奏するのが大好き!彼らひとりひとりの音と一緒に歌うことが大好きです。彼らとの出会いに感謝!そしてバンドの皆、サンキュー!
2001/10/09
 
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