あの日
僕は翼をちぎられたんだ
すごく痛かった
涙も出ないくらいだった
なんとか叫んでみたけど
誰にも聞こえなかったよ
誰も気がつかなかったよ
そして 何ごともなかったように
朝はやってきた
皆 何ごともなかったように
笑っていたよ

あの日
僕は翼をちぎられたんだ
動けなかった
どこにも行けなかった
羽ばたいてみようと思ったけど
うまく飛べなかったよ
うまく飛べなくなってたよ
そして 何ごともなかったように
翼は引き出しの中
皆 何ごともなかったように
笑っていたよ

昨日
僕は翼を見つけたんだ
消えたと思ってた
なくなったと思ってた
翼はほこりをかぶった記憶の中で
ずっと待ってたよ
ずっと待ってたんだよ
だから この引き出しの鍵を壊して
翼をぎゅっと抱きしめて
僕は 今この手で解き放つ
逝きなさいと